ゼニカルは食事の際の油分(脂肪)を体内に吸収して分解する働きのある「リパーゼ」という酵素の働きを抑制し、余分な油分を体外に排出することにより、大幅に摂取カロリーをカットする脂肪吸収抑制剤です。
元々ゼニカルは重度肥満の治療薬としてスイスの一流製薬会社であるホフマン・ラロシュ社が開発し、今では全世界17カ国で100万人以上の肥満患者の治療に使用されています。
揚げ物やラーメンなどの油分・脂肪分が多い食事を食べる前にゼニカルを飲んでおけば、余分な油分・脂肪分をカットして大幅に摂取カロリーを下げることが出来ます。吸収されなかった油分は排便の際に体外に排出されます。
ただし、ゼニカルさえ飲んでおけば食べ過ぎても大丈夫というわけではなく、あくまでも「ダイエットを成功させたい」という確固たる意志を持ち、適度な運動と食事に気をつけなければなりません。
食欲に関連する神経に働きかけて食欲を抑制します
食事の余分な油分を体外に排出し、カロリーカットします
血糖値の急激な上昇を抑えて痩せやすい身体を作ります
ゼニカルはリパーゼの働きを抑えるため摂取した脂肪分の吸収を弱くする働きがあります。よって、便の脂肪成分が増えるため軟便となります。
長期の使用ができるため、軟便の状態が問題なければ食事制限せずにダイエットすることができます。服用中は脂溶性のビタミン類を補助し、繊維性の高い食事にすることで長く続けることができます。
ゼニカルは医療機関のみで処方できる製品です。通常は1日3回、食事中または食事後に1カプセルを服用します。万が一飲み忘れた場合は、食事中か食事後1時間以内でも大丈夫です。
ただし、次の食事の際にまとめ飲みはせず、必ず食事ごとに通常の1カプセルを服用するようにします。また、脂肪分・油分を含まない食事の場合は、ゼニカルを服用する必要はありません。
ゼニカルは長期的な計画的ダイエットに向いている薬です。個人差はありますが、ゼニカルを服用し始めて2~3週間後には体重が減り始め、体重の減少は約半年~1年続きます。また、ゼニカルは高血圧や高コレステロールの改善にも効果があり、効果は服用を始めて約1か月後ぐらいから見られるようになります。
ゼニカルの服用期間については、処方する医師の指示に従って下さい。
ゼニカルの脂肪カット効果により、脂溶性ビタミンであるビタミンA・ビタミンD・ビタミンEなどのビタミン類も一緒にカットされてしまうことが考えられます。ゼニカル服用の際には不足する可能性のある栄養素をサプリメント等で補うようにし、野菜や果物等のビタミン類を多く含む食事を心がけるようにしましょう。詳しくは診察の際に医師の指示に従って下さい。
ゼニカル服用し始めると、油分・脂肪分を含んだ便やおならが出るようになり、突然便意を催したり、頻繁に便意を催すことになることがあります。特に油分・脂肪分を多く含む食事の後は、この症状が多く見られますが、症状としては一時的なものです。
万が一、症状に不安を感じるようなことがあれば、当院の医師の診察を受けにいらして下さい。
妊婦・授乳中の女性、ゼニカルの主成分であるオルリスタット等にアレルギー反応を示す方、突発性脂肪便症・慢性吸収不良症候群・熱帯性スプルー症など、必須栄養素の吸収力が極端に低いと医師に診断された方。
また、今現在ほかの医薬品を服用している方は診察の際に医師にお申し出下さい。
副作用 | 油分・脂肪分を含んだ便やおならが出るようになり、突然便意を催したり、頻繁に便意を催すことになることがあります。万が一、症状に不安を感じるようなことがあれば、当院の医師の診察を受けにいらして下さい。 |
入院・通院 | 入院・通院の必要はありません。 |
服用期間 | 長期の服用が可能、服用期間は医師の指示に従って下さい |
帝京大学医学部 形成外科 非常勤講師
美容形成外科歴 21年